テーマ「壁を突破する」
- 2022.12.9
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- 所属:
- 仁誠会クリニック新屋敷 看護部
- 職種・資格:
- 看護師
- 名前:
- M. J
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―2022年 仁誠会フィロソフィー論文 優秀賞―
人は困難な壁に突き当たった時、その多くが自分には無理だと最初から諦めてしまいがちであると考える。私もこれまでに、努力や挑戦をする前から諦めてしまった経験がある
仁誠会へ入職し5年が経過したある時、上長より「福岡の看護科通信課程で看護師免許取得を目指してみませんか」と新たな目標に向かうチャレンジ精神を奮い立たせられた。
当時、私は小学4年の娘の子育て中でしたが、以前より看護師免許取得を目標にしていたため、気持ちに迷いはなく、すぐにその場で「はい、頑張ってみたいと思います」と答えた。その後も自身の気持ちは変わることなく、入学手続きを行い、翌年4月より2年間の学習生活がスタートした。
しかし、コロナ禍であったため、入学式や学校説明会も中止となり、当初は授業や実習はどうなるんだろうと不安が大きかった。また、学校の先生方も自宅に向けたオンライ授業は初めての経験であったため、ネット環境が上手くいかず、授業が途中で中断となり、後日へ延期したことも何度もあった。入学から半年経過後も、コロナ感染拡大はおさまらず、学生同士の交流も出来ない状況にあった。
想像していた学生生活とは大きく異なり、本当に2年間で学習が終了できるのかなど、不安も大きかったが、学校の先生方による日々の励ましや、優しい言葉に支えられてきた。
課題レポートの提出期限までの期間も短く自宅での独自のカレンダーを作成し、日々の提出期限を書き込むことで、自分自身へ「やるしかない」「やる前から絶対に諦めないこと」と何度も言い聞かせた。
その間に単位試験もあったが、学校への登校ができないためオンラインでの試験となった。自分が考えていた学習ペースを遥かに超えたスピードで、当初は自分に乗り切れる自信を見失いそうになったこともあった。コロナ禍でなければ、他の学生に相談なども出来たはずなのに。と何度も不安になったことを今でも思い出す。
子育てと仕事の両立、学習の時間をどこに当てたらいいのか、今の自分の学習方法であっているのかなど自信を失いかけそうになったこともあった。しかし、そのようなことをゆっくりと考える時間が勿体ない思い、とにかく日々与えられる課題をひとつ一つクリアしていくしかない。自分に合った時間の使いを行なってみようと考えた。
仕事から帰宅後は、子供の食事などがあり私自身も一旦体と頭をリセットする時間が必要であった。そのため子供の寝ている朝方の3時や4時から出勤までの時間を学習に当てた。
そのような生活を送ることで、ちょっとした少しの時間が1日に何度も確保できることを経験した。例えば、職場に早く着いたときなどは、車の中で勉強したり、洗濯が終わるまでの時間や、料理で台所にいる時間など5分10分の時間が何か1つでも覚えられる貴重な時間であることを発見できた。
このような日々の生活を送り、あっという間の2年が過ぎた。卒業試験にも合格でき、2月13日に無事に国家試験を受験することができた。ここまでの道のりは簡単なことではなかったが、自分自信を強く信じてきて本当に良かったと感じた。国家試験合格発表の当日は、これまでの日々を振り返りながら、最後までやり遂げることができたことを実感し奮えと涙が止まらなかった。
国家試験に無事合格できたことは、私自身の大きな自信へ繋がったと同時に、自分自身の能力は誰にもわからないこと、努力することでその力を証明できることを確信できた。
たとえ困難な壁に突き当たってとしても、そこは自分自身が成長できるためのチャンスであると考えることで、自分の可能性を強く信じ、最後まで諦めずに突き進むことが大切であるとこの2年を通して学ぶことができた
この学びからの経験を今後の業務に活かしながら自己への活力としていきたいと考える