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臨床工学技士のVAエコー習得に向けて

VA(バスキュラーアクセス)とは血液透析を行う際に、体内から血液を取り出し、人工腎臓を通り、再び体内に戻すために患者に造設される血液の経路のことです。このVAは透析患者さんにとって命綱であり、トラブルが生じれば透析が出来なくなり手術が必要になる場合もあります。よってVAトラブルを防ぎ、出来る限り長持ちさせるためにVA(シャント)エコーなどの検査で血管の状態を観察、評価し、管理していく必要があります。

VAバスキュラーアクセス VAバスキュラーアクセス

当法人では臨床検査技師の職員が専属でVAエコーを実施してきましたが、「臨床工学技士に関する実態調査施設アンケート」によれば臨床工学技士がVAエコーを行う施設は全国的に増加してきているとともに、当クリニックでもVA管理においては臨床工学技士も大いに関わっている状況です。

VAバスキュラーアクセス

こういった背景もあって、臨床工学技士の私もVAエコー習得に向けて練習を始めました。5月から練習を始め、9月にようやく合格することができました。臨床検査技師の方が作成してくださったVAエコーマニュアル、検定表をもとにエコー機器の操作方法から覚えていき、上腕、前腕の血管の構造や走行を解剖学的に把握したり、スタッフ同士で腕を貸し合って練習しました。
なかなか検査技師の方がとるようなきれいな血管の描写が出来ず苦戦しましたが、回数を重ねるうちにきれいな描写に近づけたと思います。

実際の患者さんのVAエコーをとるようになって血管内腔の評価や血流の評価ができるようになり、報告書もどのような情報があったらスタッフは助かるかなど考えるようになりました。臨床工学技士としてVAエコーをとっているため、穿刺トラブルを防げるような情報(適切な穿刺部位など)を報告書に記載できればと考えています。

合格後もたくさんVAエコーの回数を重ねて安全なVA管理の役に立てるよう取り組んでいきます。

―仁誠会クリニック新屋敷 技士部 藤本みな美―