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シャント閉塞について

さて、これからシャントの閉塞についてお話します。
まずその前に、シャント音の確認をする習慣を身に付けましょう。
シャントのあたりに耳をあてると(聴診器をお持ちの方はそれを当てると)「ザーザー」という音がします。
また指で触ると血液の流れを感じることができます。これをスリルといいます。これはシャントの流れが良い証拠です。
しかし、シャントがつまりかけたりすると音が小さくなったり、いつもと違って音が聞こえなくなったりします。またスリルも感じなくなります。このような場合は病院へ連絡してください。必要なときはシャントの造影や血管拡張術を行うことになります。
完全に閉塞して、血流を得られなかった場合はシャントを作り直す場合もあります。

このようにシャントの閉塞をきたさないために、次のような事に注意しましょう。
シャント
①毎日シャントの音を確かめる
②圧迫を避ける。具体的には絵に描いてあるように、シャントの腕で、手枕をしないこと、血圧を測らないこと、時計をはめないこと、きつすぎるサポーターをはめないこと、荷物をさげないことなどなどです。止血ベルトをきつく長時間はめるのもよくありません。
③体重増加を避ける。
また体重が増えすぎて、極端に除水をするのもよくありません。

画像は正常なシャント動脈と、透析で9年間使用したシャント静脈です。9年間使用したほうは中野血管の壁が肥厚して、最後にはシャントが閉塞してしまった状態です。

正常な静脈
痛みのない正常な静脈

シャントが閉塞
9年間透析で使用したシャント静脈

いかがですか?以上に述べた注意点は、皆さんのこころがけでできることですので、シャントを長く大切に使うために実行していきましょう。

仁誠会クリニック新屋敷 山本(臨床工学技士)