第3回 摂食嚥下 咀嚼 ~カミカミ、モグモグ~
3回目:咀嚼 ~カミカミ、モグモグ~ 内容:口腔機能(咀嚼運動)・唾液
牛がモグモグしているところを見たことありますか? 顎が臼状に回転し、ひたすらお口をモグモグ、モグモグ・・・
人の咀嚼運動もモグモグと、上下顎だけでなく、歯(義歯)、舌、頬筋を協働し、食べ物を細かく砕き、すりつぶし、唾液と混ぜ合わせ、飲み込みやすい状態にまとめる食塊形成をする作業をします。そして、咀嚼をすることで唾液や胃液などの消化酵素を含む消化液を分泌し消化吸収を促進します。
赤ちゃんは生まれて間もなく反射としておっぱい(ミルク)を吸い始めます(吸啜反射)が、食べる機能(咀嚼など)は本能ではなく、経験・学習して体得していくものです。離乳食(軟らかい、味の薄いもの、少量)を食べ始める頃から色々な味や形態を経験し食事が美味しいと感じるようになるのです。食具も初めは食べさせてもらい、その後手づかみ、スプーン・フォークから箸を使えるようにステップアップしていきます。
現代の食事は軟らかいものが多く咀嚼数が減り、顎の筋肉が衰え、消化不良を引き起こすという弊害が起こりやすいようです。
しっかり噛んで食べることは ・唾液による口腔内の浄化作用UP ・唾液・胃液などの消化酵素の分泌を促し消化吸収を促進する ・咀嚼筋が刺激され表情が明るく、豊かに ・免疫力UP ・肥満防止にも・・・ |
★あ い う べ 体操
食事を食べる前に口唇・頬筋・舌が滑らかに動くように準備体操をしましょう。
できるだけ大きく口を動かし、1音を4秒程度かけてゆっくり行いましょう。
口の動きを滑らかにしてしっかり噛んで食べましょう。
次回は、「舌~痩せると舌はうすくなる~」の予定です。
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士 看護師 永野トシ