理学療法士がサポートし、自主トレを続け機能向上した事例
- 2022.04.5
理学療法士による「自主練習」の提案。
地道な「自主練習」の継続から6ヶ月で、装具なしでの移動可能。
そして発症から約3年で、念願の装具変更をへと大きなステップアップ!
A氏は脳卒中後の後遺症で右半身に重度の運動麻痺があります。
歩行中は筋肉の強張りが強く、足の接地が上手くいかないため捻挫や転倒の危険性がありました。安全に歩くためには固定力の強い装具をつけなければなりません。A氏は少しでも柔らかく装着感の良い装具に変更したいと希望されていました。
療法士は麻痺による強張りを和らげるために自主練習を提案しました。
A氏は装具を外した足部に正しく体重を載せる自主練習を開始しました。地道に練習を継続された結果、半年程度で自宅内は装具を使用せず移動が可能となりました。
発症後、約3年を経過して念願の装具変更を達成されました。固く曲がらない装具から、継ぎ手があり足首を曲げれる装具へ変更となりました。運動麻痺を有する方にとってこの変更は大きなステップアップだと言えます。
A氏は「この装具に変更してから自分の力で動いている意識を持てるようになった。歩行や立ち上がりも調子が良いよ。」と感想を述べられています。
訪問系のリハビリでは、当事者と直接関われる時間は短く限定されます。A氏の場合は1週間に40分という非常に短いケースでした。効果を出す為に基本となることは、ご本人の「自助努力」だと思います。ご利用者の主体性をどのようにして引き出すかというのが訪問療法士の重要な役割です。訪問以外の時間で自主練習を安全に続けていただくことが良い結果を引き出すために効果的な手段だと考えています。
―赤とんぼ訪問看護ステーション 安藤 文浩(理学療法士)―