訪問看護で定期的に通うからこそ出来ること
- 2020.11.6
訪問看護は例えば傷の処置であるとか、内服の管理等必要があって、ご利用者さんやかかりつけ医の先生、ケアマネージャーからの提案により、目的をもって在宅生活支援のために訪問することがほとんどですが、
今は問題がなくても、定期的に訪問させていただくことで異常や異変の早期発見につながることがよくあります。
先日こんな事がありました。その方は(Aさん・60代女性)脳梗塞後のマヒの為、転倒の可能性があり、医療的視点を持っての入浴介助が必要でした。
そのような中でもご自身で出来ることはご自身でやっていただくというのは、自立・自尊の観点から大切にしなければならない点であり、胸部などはご自身で洗体してもらっていました。麻痺は一時的なものだったようで一気にお元気になられ、ますます必要最低限の介助で済むようになっていました。ところがある日、体調が悪く入浴介助で洗体のほとんどを行った際、胸の外側の凸凹としたしこりに気づきました。その場ではご本人には何も言わず、ご主人に婦人科系の疾患について確認しましたが、既往歴・受診歴はないとの事で、クリニックの主治医へつなぐ事の了承を得たうえで主治医へ報告。
その後主治医より紹介状を書いていただき日赤受診され、結果乳がんステージⅡaの診断となりました。
大変な結果となりきっと精神的にも辛いのではないかと思われる中、「あなたには本当にお世話になりました」と声をかけて頂きました。その後も「あなたの入浴介助は本当に気持ちがいい」「今日はあなたが来るかなぁと思ってました」など、うれしいお言葉をたくさん頂いています。
普段は体調を伺い、バイタルを測定し、指示の傷の処置や入浴介助を行い「お邪魔しました~」と帰っていく訪問がほとんどですが、こういった病気の発見や、早期の脳梗塞の発見などにつながったときは、本当に訪問していてよかったと思いますし、人との気持ちの繋がりを丁寧に感じられるこの訪問看護の仕事は、とてもやりがいのある仕事だと感じています。
これからも様々に研鑽し利用者様の在宅生活を支えられるよう努力していきたいと考えています。
赤とんぼ訪問看護ステーション 福間(看護師)