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「摂食嚥下勉強会」WEBでの開催 

  • 2020.10.15

新型コロナウィルスの影響で、業務の進め方も大きく変化しています。職員向け勉強会の方法も大きく変化した業務のひとつです。その中に、「摂食嚥下勉強会」があります。

高齢になると、加齢やサルコペニアによる筋肉量減少に伴い摂食(噛む)嚥下(飲み込む)機能の低下がみられます。一人一人に合わせた食事を提供し、安心して美味しく口から食べていただくために各専門職が連携して取り組む、摂食嚥下チームケアの必要性に気づきました。赤とんぼ入所者の平均年齢は88.5歳。透析クリニックの患者さんも高齢化がみられます。その中で、摂食嚥下が課題となる方々も増えてきている現状です。

そこで、栄養科では、摂食嚥下の知識を多くの職種のスタッフが勉強し、よりよいチームケアにつなげていきたいと考え、仁誠会全体に発信する摂食嚥下の勉強会を企画することにしました。

当初は、例年通り、集合研修を予定していましたが、このコロナ禍で三密を避けるため、初めてWEB勉強会での形に挑戦しました。講師に依頼し、それぞれの回のテーマと内容について話を詰めていきました。

摂食嚥下勉強会ポスター
WEBでの発信ということから、いくつか工夫もありました。まず視聴する人が飽きないように、第一回は5分以内でコンパクトにまとめた内容に。また、イラスト多めのスライドを使用するなど視聴者が分かりやすいようにしました。講師は外部研修での経験もありWEBでの動画撮影も問題ないと想定していましたが、多くの人を前にして話す普段のプレゼンテーションと視聴者がいない動画撮影では感覚が違い、初回は戸惑いながらの撮影で、何度も取り直しを行い、スムーズに進まなかったことを覚えています。しかし、初回の経験をもとに2回目、3回目と手ごたえを感じ、最高のスライドが出来上がりました。

4回シリーズの内容は以下の通りです。

第1回:摂食嚥下のメカニズム
第2回:サルコペニアの嚥下障害
第3回:食事介助の基本
第4回:食事観察のポイント(KTバランスチャート)

WEBでの開催からみえたこと

・発信する範囲が広い(アドレスがわかれば誰でもみることができる)
・好きな時間に視聴できる(時間の制限がない)
・好きな場所で視聴できる(1か所に集まらなくていい、交通費の削減、移動ストレスなし)
・興味があるところのみ選ぶことができる(先送りや後戻りができる)
・視聴件数がわかる(何人視聴したかがカウントされる)

これからの課題

・誰が視聴したかはわからない(参加者が不明)
・質問がタイムリーにできない(今は個別にメールや対面で質問するシステム)
・参加者によって講義内容を途中で変更できない(集合研修では参加者の理解度、興味の深さで掘り下げできる)
・実技、実践ができない(食事介助方法は実際やってみる方が理解しやすい等)
・WEB環境が整っていないと不便(Wi-Fi環境等)

初めてのWEB開催で、講師、企画者共に最初は混乱もありましたが、この勉強会ひとつとっても学ぶことが多く、これからの勉強会や業務のヒントにつながりました。

現在、仁誠会の勉強会は、WEB配信が主流となりつつあります。コロナ禍で、目まぐるしく変わる世の中。そんな中でもその大きな変化に柔軟に冷静に対応し、質の高いケアにつながる取り組みを日々行うスタッフの姿を見ると、仁誠会の強さや利用者さんとそのご家族への責任の大きさを感じます。

「絶体絶命のピンチ」は「絶好のチャンス」と前向きにとらえて、どんな環境下でも自分たちのやるべきことを果たしていきたいと思います。

橋爪真由子(赤とんぼ栄養科 管理栄養士/2020赤とんぼサルコペニア対策委員長)


★お知らせ

職員の要望に応え【「摂食・嚥下サポーター 評価者」研修】を看護部で企画しました。
初回は 11/4(水)赤とんぼホールにて開催。
(2月まで計4回開催予定。コロナの状況次第でWeb開催への変更あり)