料理教室~利用者さんの得意料理「ちらし寿司を作ろう!!」~
- 2024.01.26
- ケアセンター赤とんぼ
ケアセンター赤とんぼでは、毎月1回料理教室を実施しています。
利用者さんに、昔自分で料理していたことを思い出していただき、回想法や作業療法につなげ、食事に対する意欲を引き出し楽しみを増やしています。
11月はA氏の得意料理!「ちらし寿司」を作りました。A氏は食欲低下のために、週に2回程食欲回復食を提供しています。食欲回復食とは、摂取量低下や低栄養の方を対象に提供している食事で、種類は5種類あります。お粥食、パン食、カレーセット、麺類の温・冷セットがあります。味のはっきりとしたカレーライスは人気があり、食欲向上に繋がっています。A氏も赤とんぼに入所された頃は施設の食事の味になじめず、摂取量が低下していましたが、食欲回復食のカレーライスと麺類を気に入って頂き、今ではほぼ全量摂取できています。
食欲も戻られ、意欲もアップしてこられたA氏と話していると、「私が家に帰る事ができるなら、あなたに私の得意料理のちらし寿司をぜひ食べて欲しい」と言われるまで元気になってこられました。そこで今回は料理上手なA氏の話を聞いて、是非作ってもらいたいと料理教室を企画しました。
A氏は元々料理を作る事が好きで、自分の手料理を友人に振る舞われていたそうです。料理教室当日はA氏指導のもと、調理作業を進めました。参加者のADLに合わせ、必要な方にはスタッフがサポートに入りました。ちらし寿司に入れる材料は人参、しいたけ、かんぴょう、ちくわです。野菜を切る時に人参が硬かったようで、「昔のようには力が入らない」と昔との違いを実感しながら切られていました。
調理工程はしっかり覚えられており、スムーズに進みました。久しぶりに触わる食材の感覚や、ご飯の炊ける匂いを一緒に感じてもらいました。
他の利用者の方も、ちらし寿司を作った事がある方ばかりで、「寿司飯は冷やす時にうちわがいるね」等会話も弾みました。
A氏は作りながら、「リハビリでお世話になっているスタッフにも食べてもらいたい!」と張り切って作られていました。自分の得意料理のちらし寿司を皆に振る舞ったA氏は、皆から「おいしい」と言われて満足そうでした。「次はハヤシライスを作りたい!」と言われており、楽しみがまたひとつ増えました。管理栄養士としてこれからも食事を通して、利用者さんの楽しみや活力に繋げていきます。
―赤とんぼ 栄養科 管理栄養士―