「朝食のススメ」〜体内時計と栄養の関係〜
- 2022.06.8
- 仁誠会クリニックながみね 食事について
皆さんは毎日、朝食を食べていますか?
透析患者さんの中には「透析前の体重を少なくしたい」「透析中トイレに行きたくなると困る」「時間がない」「食欲がない」などの理由で朝食を抜く人がおられるようです。朝食は大事なエネルギー源でもあり、1日を元気にスタートするための体の目覚めスイッチでもあります。
≪朝食の役割≫
・体のリズムを整える・体温を上げる・脳にエネルギーを補給する・排便が促される
私達の身体の中には1日24.5時間の周期でリズムを刻む体内時計があります。体内時計は脳や臓器の働きに関係しています。体内時計の針が狂うと睡眠障害やうつ病、肥満、糖尿病、アレルギー疾患、がんの発症にもつながることがわかってきました。体内時計をリセットし、正常に針を動かすためには「朝食」がスイッチとなります。栄養素の代謝も時間帯によって変化するため、「いつ・何を・どれだけ・どのように食べる」かが大事です。
≪体内時計に基づく朝食の摂り方≫
・起床後1時間以内に食べる
・朝は血圧を高くするホルモンが分泌されるため、食塩の摂取は控えめにする
・午前中は鉄分の利用が高まるため、鉄分を多く含む食品や蛋白質をとる
・主食、おかず、野菜とバランスよく食べる
≪お手軽朝食の例≫
①おにぎり+味噌汁
おにぎりの具は鮭、ツナマヨ、そぼろなど。塩はつけず焼きのりで巻くと塩分を減らせます。汁は少なめにし、野菜やきのこ、卵や油揚げなどいろいろな食材を入れると1品でもしっかり栄養がとれます。
②トースト+卵+野菜
トーストに目玉焼き、スクランブルエッグなどの卵料理、野菜を添えた洋風朝食もおすすめです。トーストにはバターやジャムを塗るとエネルギーアップにもなります。パンに具を挟んでサンドイッチにしてもよいでしょう。
血液透析では、体に必要なアミノ酸やビタミンも除去されます。朝食を食べずに透析すると身体を維持するのに必要な栄養素やエネルギーが不足し、倦怠感やふらつき、貧血など体調が悪くなることもあります。エネルギー不足が続くと身体もやせて、ますます体力が落ちてしまうため、食事は3回、適切な量を食べて元気な毎日を過ごしましょう。
―仁誠会クリニックながみね栄養科 赤塚 薫 (管理栄養士)―