BV計を使用した除水管理
- 2022.05.20
- 仁誠会クリニックながみね 透析について
血液透析において、水分を除去する量(除水量)の管理は重要な項目の一つです。
今回は除水量の管理の指標となる、ブラッドボリューム(BV:Blood Volum)計について紹介します。
BV計とは、血管の中にある血液の量を監視するシステムです。これを監視することで、血液の濃縮率や血管外から血管内への水分移動(血漿再充填)を確認することができます。血液の濃縮率や血漿再充填を監視することにより、血管内脱水を未然に防ぎ、血圧低下や下肢攣りが起こらないような除水管理ができます。
下記が、実際に治療中に見ている画面です。
BV計の機能として他に、バスキュラーアクセス(VA)再循環率測定があります。任意、もしくは設定したタイミングで自動測定が可能で、数値により警報を出すことができます。VAの狭窄などトラブルの早期発見や、血液回路と穿刺針の逆接続を検知することもできます。
これらの機能を有するBV計ですが、血液回路に直接近赤外光を照射する為、非侵襲的かつ特別な物品が不要です。
私たち臨床工学技士はこのようなモニターを使用することで、患者さんにより安全で安楽な透析が提供できるよう、業務にあたっています。
―仁誠会クリニックながみね 技士部 森崎(臨床工学技士)―