サルコペニア予防の検討会 毎月実施
- 2021.06.29
- 仁誠会クリニックながみね 透析について
仁誠会クリニックながみね臨床工学技士の取り組み
サルコペニアとは、加齢や疾患により、筋肉量が減少することで、握力や下肢筋・体幹筋など全身の「筋力低下が起こること」を指します。まず筋肉を作るには蛋白質が必要です。当クリニックの透析患者さんも高齢化が進み、食事が入らない、運動ができないなど、サルコペニアになりやすい環境での生活が多くなっていきます。
この様な環境の中でも透析患者さんが毎日元気で楽しい生活が送れるように、臨床工学技士の専門性を活かして、患者さん一人ひとりの状態に合わせた透析を提供できるよう毎月透析条件の検討会を実践しています。
【検討する内容】
①アルブミンの量は適正か?
②透析効率と食事量のバランスは適正か?
アルブミンの量は、1回の透析で除去される量がダイアライザーによって違います。食事が入らない患者さんは、できるだけアルブミンが除去されないダイアライザーを選択します。
透析効率は食事量が多い患者さんだと血中の老廃物が多くなり、透析効率を上げる必要があります。
また食事量が少ない患者さんだと通常の透析条件だと過剰透析になり、透析後倦怠感や日常生活動作低下につながる事があります。血液流量や透析液流量を下げる事で適正な透析効率に移行することで日常生活動作向上につながります。
当院の透析前アルブミンが3.5g/dl以下の患者さんを対象に男性5名、女性6名(平均年齢86.73歳)にダイアライザーを変更しアルブミンの推移を評価しました。結果は改善55%、維持18%との結果が見られています。
毎月のサルコペニア予防検討会を実施することで、患者さんに合った栄養状態が維持でき、日々患者さんの元気な姿を見る事は、やりがいにつながっています。また超高齢化の現在では、サルコペニア予防に取り組む事の意義を仕事の中で感じています。
―仁誠会クリニックながみね技士部 島﨑(臨床工学技士)-