フットケア便り3. 爪切り
- 2019.08.14
- 仁誠会クリニック大津 フットケアについて
爪の切り方によって、足に影響を及ぼしてしまうことがあります。
巻き爪の原因となったり、爪が伸びすぎると皮膚を傷つけたり、爪の間に汚れや垢が溜まって雑菌が繁殖し、感染につながったりします。適切な爪の切り方を行い、巻き爪や爪の変形を予防しましょう。
爪の構造について
爪の役割について
足の爪は歩いたり走ったりする時に、足のけりだす力を爪がうまく伝えてくれる役割があります。
また、体の体重を支え立つという動作そのものを爪が助けてくれます。
足の爪がなければ私たちの当たり前の行動が出来なくなります。
爪切りの手順
① 爪を洗う
・入浴後爪が柔らかく清潔な状態で爪切りをする。
・爪を洗う際は足ブラシ(歯ブラシで代用)で、爪と皮膚の間を傷つけないように、やさしく洗う。
・入浴ができない場合は足浴し、爪部分だけでも洗う。
・または、温タオルで爪の汚れを取り除いてしばらく温めて爪を柔らかくする。
② 爪を切る
・爪が柔らかいうちに爪を切る。
・いっぺんに切ろうとせずに、何回かに分けて少しずつ切るようにする。
・厚くて硬い爪ははじめにやすりで表面を削り薄くすると簡単に切ることが出来る。爪の先は白い部分が1ミリ程度残るように、また爪が真っ直ぐなるように切る。(スクエアオフ)
③やすりをかけて整える
・爪を切り終わったら、爪の切り口が滑らかになるようにやすりをかける。
・やすりは爪に対して一定方向に向かって動かし、爪が滑らかになるまで何度か繰り返す。
爪がとがっていると皮膚をひっかいて傷を作ってしまうことがあるので、
引っ掛かりがないようにやすりできれいに整える。
・やすりかけが終わったら温タオルなどで爪の表面をふいて汚れを落としてきれいにする。
ポイント
①爪の状態によって爪切りを使い分ける。
②深爪は巻き爪の原因となるので「丸く」ではなく「四角に」切る。(スクエアオフにする
③高齢者の場合は爪と、爪の下の軟部組織との境界が不明瞭なことがあるため注意しながら切る。
視力障害など、自分で爪切りが出来なくなったり、爪が肥厚・変形・炎症を起こしてしまった場合は、皮膚科へ受診しましょう。
爪のケアをおろそかにしてしまうと、爪の役割を果たすことが出来なくなり、ADL(日常生活動作)のみならずQOL(生活の質)の低下にもつながります。
適切な爪切りで、歩ける足を守りましょう。
仁誠会クリニック大津 フットケア指導士 田浦 智美(看護師)