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あなたは何タイプ? 「透析患者さんの夏の体重管理のコツ」

「透析患者さんの夏の体重管理」の勉強会を2日間開催しました。
今からの時期は、汗をかき、喉も渇きやすく飲水量が増え、体重管理が難しくなる時期です。

まず臨床工学技士から体に水が溜まったときの症状について説明しました。
体に水が溜まっている場合

透析患者夏の体重管理①体がだるく感じるむくみ
②息がしづらい、胸が苦しい等の症状の心不全
③息をしたくても出来ない肺水腫
④高血圧
等の症状が現れる場合があります。しかし、それは急になるわけではありません。
前兆として、血圧が高くなってきます。「自分は元々血圧が高いから」と何も気にしないのは危険です。日頃、血圧を測る習慣をつけ、血圧変動には注意しましょう。

 

次に管理栄養士からは、体重増加のタイプの特徴と対策をお話しました。
体重増加が多かった時の原因は?~あなたはどのタイプでしょう~

①飲水量が多い
②塩分量が多い
③水分の多い食品、料理が多い
④便秘している
⑤とにかく食べ過ぎ

勉強会では体重が増える原因として挙げられる5つのタイプの中から、特に原因として多い①~③のタイプについて説明しました。
体重増加タイプ別体重管理のポイント

①.飲水量が多いタイプ
1.大きいコップ→小さいコップへ変更する

2.飲む時間・回数を決めて飲む
3.1日の水分量を水筒やペットボトルに量っておく
4.氷も水分であると自覚する

②.塩分量が多いタイプ
1.味噌汁などの汁物は具沢山にし、1日1杯を目安とする。
2.麺類のスープは全部飲まないようにする。
3.漬物、佃煮類の食べ過ぎに注意する。
4.「かけて食べる」より「付けて食べる」
5.料理は適温で食べる。

③.水分の多い食品・料理が多いタイプ
1.水分が多い食べ物を毎日食べることは避ける
2.透析の中日に食べたり、炒め物や揚げ物のような水分の少ない料理と上手に組み合わせる。

飲水量が多いタイプの方は、「氷を計算に入れていなかった」、「一番大きなカップで飲んでいた」、
塩分が多いタイプの方は、「毎食漬物を食べていた」、
水分の多い料理タイプの方は、「暑くなって毎日アイスを食べていた」などタイプごとに様々な言葉が聞かれました。

飲料水チェックシート

 

勉強会の最後にはタイプ別のチェックシートを配布しました。
勉強会後チェックシートを実施された方は、
「普段気をつけているつもりだったけど、紙で実際チェックすると難しいな」
などとおっしゃっていました。

仁誠会クリニック光の森では、透析患者さん向けにさまざまなテーマで勉強会を行っています。
皆さんのご参加をお待ちしています。

-仁誠会クリニック光の森 臨床工学技士  末次  管理栄養士  宮原-