サルコペニアとPMMA膜
- 2024.07.22
- 仁誠会クリニックながみね 透析についてクリニックからのお知らせ
近年問題になっているサルコペニアという言葉を聞いたことはありますか。
サルコペニアとは筋肉量や身体機能が低下している状態のことを指します。
これは栄養面、運動面等から評価しています。
今回はサルコペニアが予防できると期待されている透析膜に関してのお話です。
まず、通常の透析膜では毒素や水分を抜くための小さな穴が無数に開いており、「拡散」と「濾過」の原理を使って透析するため、栄養の指標となるアルブミン(Alb)が毒素とともに漏出しやすい傾向にあります。
そのため透析患者のサルコペニアは問題視されています。
この欠点を補う膜であり、「拡散」「濾過」だけでなく「吸着」の技術も使い、アルブミンやアミノ酸、たんぱく質などを抜けにくくし、サルコペニアの改善が期待できる透析膜がPMMA膜です。PMMA膜はアルブミンの漏出を防ぐだけでなく、掻痒感の改善、炎症を抑える効果もあると報告されています。体に必要なものを残し、不要なものを除去する透析です。日常生活を送るために筋肉を維持し、動ける身体を維持するにはPMMA膜は今後この超高齢社会の中で重要なものです。
体の調子が悪い、食欲がないといった際はそれ以上悪くならないように早めの対応が必要です。
周りのスタッフに声をかけ、透析の条件を変更してもらうなど、筋肉と動ける身体を維持していきましょう。
-仁誠会クリニックながみね 技士部